ある爺さんと婆さんがススキノ繁華街の横 に小さな焼き鳥屋を営んでいました
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ススキノの太い通り ススキノ交番の斜め向かいに大きな店『福鳥』があって100名か
もっと多くの人が入れました
福鳥の横にあってぎりぎり8名しか入れず時間制で自分の時間が決められているようで
自分の時間が終わって席を立つと静かに そして当然のように次の人が座る
小さな店と偏屈年寄りが個人経営をしていて 誰もが認める美味しさ等がこのような
システムを作り上げてしまったようだ 常連又は常連が同伴したもの以外は店に入れないが
高校生でありながら焼き鳥大好きで子供の頃よりの顔見知りだった事もあって
私は立派な常連客 当然のようにビールも3-4本は飲み 鳥は20本位食べてから
暗くなった夜のススキノへ遊びに行くのでした
56年前の話は この小銭入れが突然出てきたのでビックリして思い出だしてしまったんです
極少数の常連客しか持っていない武鳥と刻印されていた小銭入れ
これを持ってる事が焼き鳥通の間でステータスでした

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半世紀も前の話ですから それなりに聞いてください
当時は寒すずめや 少し大振なつぐみ等が時期になると焼き鳥ファンを喜ばせました
私はポークチャツプの 厚切り豚バラを4本串に刺して焼き 
はさみで切り分けて濃い目のタレにたっぷりが好きだったり 
鳥の半身を炭火で焼き上げますがブロイラーではなかった時代ですから
その美味さは野生鳥と同等だったと記憶しています

年齢には勝てず店を閉じる事になった時 店の熱烈ファンが名乗りをあげ
店を続けたらしいが その後しばらくして残念ながら閉店したと聞いている
突然思いがけずの処から 懐かしいものが出てきたのでお世話になった事や
若い私に 言葉に出さず 態度や仕草でさまざまな忠告をして下さった爺婆を
昨日の出来事のように 小銭入れから思い出しました。